まったく違う境遇の女性との出会い

40歳男性有名大学卒、誰もが知る安定大手企業に勤められていて年収も800万、結婚相談所では人気のあるゾーンの男性です。ご実家暮らし、コミュニケーション能力もあるのですが、なぜか言葉の端々からにじみ出るなんとなく自信のない男性でした。

ご入会からのお見合いも交際も順調で何人かお会いしたころ、ある一人の女性と出会いました。同じ年齢の女性です。

40年間ご実家暮らしのSさんとは違い、高校卒業して地方から出てきて、病院で住み込みで看護師の学校に通い、卒業後はシフト勤務がありながら、ずっと一人で生活をされてきたまさに自立した女性です。ユーモアのセンスもあり、仕事も楽しく頑張っておられ、おまけに美人さん。Sさんは彼女にひとめぼれし、3回目にお会いした時には真剣交際になる順調な交際でした。

結婚相談所の交際は一般的な交際よりハイスピードで進んでいきますが、結婚までの気持ちの盛り上がりや、結婚に必要なことのすり合わせは十分にいたします。真剣交際に入ると楽しいデートの他に、結婚生活に必要なことを話していきます。主には、住まいのこと、お金の事、仕事のことになるのですが、人によってはご家族や兄弟、親戚のことを話すこともあります。

真剣交際で知った事実

実は彼女の妹さんは、幼いころから病気でいらして、今はずっと自宅でご両親が寝たきりの妹さんの面倒を見られているそうです。

Sさんのお母さまは世間体をとても気になさる方だそうで、Sさんは幼いころからそれを聞かされて育ってこられたので「母親の考えには賛同できない」と思いながらも、反論まではしてこなかった、というかそんな必要もなかった今までの人生。自分からわざわざ母親の逆鱗に触れるような発言をして面倒は起こしたくないという気持ちがずっとあったそうです。

母親の期待通りの私立中から有名大学に進み、期待通りの企業に勤めはしたものの、なんとなくで生きている感じSさんの自信のなさはそこからなのかな、と思われました。というわけで、いざ彼女との結婚の話が進んだ時、Sさんのお母様がどう反応するかが目に見えてきて、心配になってきたとご相談がありました。

理由としては、

  • 彼女が若くないこと(子どもが生めないのではないか)
  • 彼女が高卒であること
  • 彼女のご両親の仕事が自営業であること
  • 一番のネックは、妹さんが病気であること

Sさん曰く、「母親は僕のことを自慢の息子だと思っていて、彼女はその自慢の息子にそぐわない」と言うと思いますと・・

悩み抜いたSさんの決断

Sさんの本音は、

  • 女性の学歴は気にしない
  • 親はご先祖様のために孫がほしいというけれど、自分は全くそう思っていない
  • 妹さんのことは彼女と一緒に考えていきたい

というのが本心、でもお母さまには言えないでいたようです。

結婚が時として、初めての親からの自立の第一歩になる方はとても多いです。自立と言うと経済的な自立や物理的な自立(1人暮らし)などがありますが、一番難しいのが精神的な自立でなはいでしょうか。40歳という、普通で言えば子どもの父親になっている年齢の男性ですが、親からの自立は年齢ではないのだな、といつも感じます。

18歳で親からの自立を果たせる人もいれば、親の介護がはじまっても親からの呪縛から逃れられず、結果精神的な自立ができずにいる人もいます。

Sさんは幼いころから家族の調整役でいて、自分が母親のいうことを聞くことで、両親の機嫌がよくなり夫婦仲が良くなり、家庭に平和が訪れ、親戚に自分を自慢する親を見てきたのでその期待に応えなくてはと思い続けていたようです。彼女との結婚は、家庭の調整役だった自分を崩すことになるので、Sさんにとってはとても勇気のいることでした。

こんな時は、仲人としていつにも増して真摯に腹をくくって会員の方と向き合うときです。私のひと言が決断のきっかけになることもあり、もちろん最終的には会員さんがご自身で決められることなのですが、迷っている最中は何を基準に考えたらいいか分からなくなると思いますので真剣です。

Sさんとは何日も話しました。

基本的にはSさんがポツポツと呪文のようにずっと話しているのをうかがっているだけなのですが、ある時私から「Sさんの親しいご友人や、大好きな亡くなったおばあさまが今のあなたになんて言うと思いますか?」と尋ねると、「お前は馬鹿か」とアタマをはたかれると思います、と苦笑いしていました。

それがきっかけだったかは分かりませんが、その後、霧が晴れたようにスッキリされて彼女との結婚に進んでいきました。

婚活をされている方の中には、親(特に母親)の呪縛にぐるぐるに巻き付けられ、いざ一歩踏み出そうとするときに、いつもそこに引き戻されてしまう方がいらっしゃいます。そんな時「母親を悲しませたくない」とか「縁を切ると言われた」とおっしゃる方は多くいらっしゃいます。でも結局は自分の気持ちを見て見ぬふりをし、母の思いを自分の思いとすり替えているのではないか、もしかしたら、ご自身が自分で自分の選んだ道に責任を負いたくなく、逃げ道を作っている感情があるのではないかとも思います。

案の定、彼女の経歴をお母さまに伝えると、信じられないくらい泣かれて「縁を切る!」と猛反対されたそうです。でも今回ばかりはそんなお母さまを冷静に見ることができ、逆に「もう母親の意向に沿うのはやめよう」と決意ができたそうです。

40歳という年齢ではありましたが、たぶんSさんにとって初めての反抗で自立だったのではないでしょうか。彼女は神様が彼に与えてくれたチャンスのように思いました。

その後も紆余曲折があり、すったもんだも少々ありましたが、実際お母さまが彼女に会うと、女性としての聡明さと品のある彼女を、あっという間に気に入り、すっかり仲良くなったそうです。今では一匹のワンちゃんを飼い、週末は買い物とお散歩を楽しむとても仲の良いご夫婦です。

結婚は、両親や周りから祝福されることが大事なことではありますが、何より大事なことは自分の気持ちに正直に、自分の決断を信じることではないでしょうか。

いつも思います、一番の親孝行は、子どもが自分の意思と力で幸せになること、だと。

川崎・武蔵小杉の結婚相談所クキマリアージュ

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